【完】999本のバラを君に。
999本のバラを君に。
2月20日の寄る。
あたしは翔太の病室の前のベンチに座っている。
隣には梨華が座っていて。
他にも、悠太くんや、麗華ちゃん、樹君、美沙さん。
「真優、平気……?」
「うん、大丈夫」
「でも……昨日の夜から寝てないんでしょ?」
怖くて、不安で、全然寝付けなかった一週間。
「……大丈夫」
そう言って、あたしは、左手の薬指につけたシルバーリングをギュッと握ってそっと目を閉じた。
……大丈夫、大丈夫。
このリングをつけて、会うんだ翔太と、もう一度。
……そんで、もう一度、彼の笑顔を、見るんだ。