【完】999本のバラを君に。





「……しょ、た……」

「真優!! 真優!!」

あ、れ……?

梨華……?

「真優、もう朝だよ」

え……?

朝??

起き上がれば、あたしはソファの上で寝ていた。

あのまま、寝ちゃったのか……。


「……翔太、は?」


あたしがそう聞くと、梨華の瞳からは涙が溢れ出した。


「……なんで、泣いてるの?」

「……真優ちゃん」

「ゆ、たくん……翔太は?」

「……真優ちゃん、兄貴はもういないよ」

「はは、やめてよ……そんな、冗談……」


わかってる。悠太君は、そんな冗談を言わないことぐらい。

でも……認められない。

信じられない、自分がいる。

信じたくないんだ。






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