【完】999本のバラを君に。
「一緒に帰りたいんなら言えばいいのに」
「そろそろ真優から誘ってくれてもよくない?」
翔太はちょっと不満そうな声で言った。
……これは、ちょっと本気かも。
「だって……」
翔太から誘われるのがちょっと嬉しかったり、なんて言えない。
「なに、理由あんの?」
「理由っていうか……。乙女の心?」
「ぶっ。その言葉、似合わなすぎなんだけど……」
「あのね……一応彼女なんだけど、あたし」
失礼すぎじゃないですか、彼氏さん。
「だって似合わねーんだもんっ。乙女心って柄かっつーの」
「あっそ」
「……真優ちゃんは、そのまんまがいーんじゃないんですか」
「はい?」
それは……どういう意味?