【完】999本のバラを君に。
野球部の浦辺くん
翔太と別れて、一週間。
別れたという噂は、あっという間に広まった。
別れてから、あたしは頻繁にサボるように。
昼休みになり、あたしは担任に呼ばれて職員室まできた。
「失礼します」
「豊崎ー」
担任に手招きされ、近づく。
「ほい、これ。浦辺に渡しといてくれ」
浦辺、くん??
浦辺君って、野球部のピッチャーやってるっていう人、だよね。
うちの野球部は強い方で、毎年甲子園に行く候補校である。
そのエースをやってる浦辺君は、いつもクラスのお調子者的な存在。
あんま話したことないんだけどなー……。
教室に行く途中、突然、前から誰かが走ってきてぶつかってきた。
その勢いで、あたしは尻餅をついて転んでしまった。
「い、いったー……」
「わ、わりっ! 大丈夫か? って、豊崎じゃん」
見ると、目の前には浦辺君が。