【完】999本のバラを君に。
「? 豊崎?」
「ご、ごめんっ。えっと、教室戻るねっ」
「おうっ。俺、購買でパン買わねーと! じゃあな〜っ!」
なんで……今更。
ほんと、今更……なんで、好きになっちゃったんだろう。
教室に戻る途中、前から翔太が友達と話してる声が耳に入る。
笑い声だけで、わかる。
いつの間に……こんなに好きになってたんだろう。
すれ違った瞬間、心臓がギュッと止まりそうになる。
目も合わせない。
……前は、2人乗りするぐらい近づけたのにね。