【完】999本のバラを君に。
放課後になると、外は雨で、あたしは傘を広げた。
すると、「どーっすかなー」と隣から声が。
見ると、浦辺君が外を見ながら呟いていた。
「浦辺君、どうしたの?」
「おぉ、豊崎じゃん! それがさー傘もってきてなくて」
「え、今日降水確率80パーセント……」
「天気予報は俺の勘」
「……ぷっ、なにそれ。入れてあげよっか」
「え、まじ? 俺駅方面だけど」
「うん、同じっ!」
「よっしゃ! ラッキー♪ って、いいの?」
「え?」
「だって、相原……あ」
「……えへへ、へーき」
あからさま「しまった」と顔をしてる浦辺君。
その姿が、正直者すぎて、思わず小さく吹き出した。