【完】999本のバラを君に。
4時間目、サボるために桜の木の下に行くと、翔太が座っていた。
「……ここに来るの、久しぶりなんじゃない?」
「うん、超久しぶり」
「……野球なんて、できんの?」
「あほぅ。俺は野球少年に憧れてた男だ」
「ぶっ。憧れてただけじゃんっ」
「ホームラン打ってやんよっ!」
「ぷっ。バカじゃん……っ」
バカだよ、ほんと。
キラキラ輝くような笑顔に、涙が出そうになる。
……好き。
この笑顔が、好き。
ずっと……見ていたい。
純粋に、そう思った。