【完】999本のバラを君に。
そして、放課後。
グラウンドの周りには、噂を聞きつけた人たちがたくさんいた。
教室の窓から見てる人もいれば、外で帰りに寄った感じの人もいる。
そんな中、あたしは、教室から見ていた。
翔太は、バッドをもって、浦辺君にホームラン宣言のポーズをとっている。
その姿に、周りの人はクスクス笑っている。
浦辺君が、足をあげ、綺麗なフォームで投げる。
それを、翔太は空振り。
その後も、三球とも空振りでワンアウト。
「相原全然ダメじゃ〜ん」
ゲラゲラと笑ってる教室にいる男子。
……全然ダメじゃん。なーにが、野球少年に憧れてた男だっつーの。
なんて思い、廊下に出ると、須田君がドアに寄りかかっていた。
「須田君……」
「見てやんねーの?」
「……別に」
須田君はため息をつきながら「ったく、あいつ不器用すぎ……」なんて小さく呟いた。