【完】999本のバラを君に。
「翔太に腹立てんのわかるけどさ、話、聞いてくんね?」
話??
須田君は、ニッと笑って話し始めた。
「あいつが頼んできたんだよ、俺に」
「え?」
「“話したい奴がいるから、一緒についてきてくれ”って」
須田君の言葉に、思わず目を丸くする。
「誰だって聞いたら、俺の想い人の親友。俺にとっても悪い話じゃねーし、オーケーしたんだ。豊崎と別れた時に、あいつに言ったんだよ。“本当のこと言え”って。そしたらさ、あいつ、
“言い始めたら、自制効かなくなる”だってよ」
胸が、段々と熱くなるのが自分でもわかる。
「気持ち伝えたら、止まらねーって言ってた。まぁ、あいつバカだから、雨の中後つけるなんつーことやるし。ほんと、不器用だよな」
「……っ」
ねぇ、翔太……。
言葉って、言ってくれないと伝わんないんだよ??
「わかったろ、あいつのキモチ。見ててやれよ」
「うん……っ」
あたしは、もう一度さっきの場所で、体を前にだしてグラウンドに目を向ける。