【完】999本のバラを君に。
浦辺君が、最後の球を投げる。
そして、翔太がバッドを振った。
──カキン……っ
その瞬間、綺麗な音がグラウンドに響き渡った。
ボールは、浦辺君の頭の上を通り、柵に当たって落ちていった。
そして、歓声が響き渡る。
「相原、マジでホームランしたじゃん!」
「すげーすげー」と騒いでいるクラスの人たち。
あたしの瞳からは、涙が溢れ出した。
翔太はあたしの方を向き、ニッと笑っていて。
その笑顔は、太陽の光を浴びていて、キラキラ光っていた。
……好き。
彼が、好き。
こんなにも……彼に恋してる。