【完】999本のバラを君に。
2*君とクローバーを探そう。
コイビト
あたし達がつき合って一週間。
「まーひろっ。いつものとこ行こーぜ!」
「うんっ」
お昼の時間、翔太と一緒に桜の木の下で食べる毎日。
時々2人でサボるのも、変わらない。
なんか、実感わかないんだよねぇ。
「なぁ、真優、放課後空いてる?」
「うん、空いてるよ」
「んじゃ、映画行こーぜ。ほら、ケータイ小説が映画化したやつ」
「いいよ! 行きたい!」
こうやって、誘ってくるのも翔太だし。
「ちなみに、電車?」
「はは、チャリ」
「……やっぱり」
あたしが苦笑いすると、翔太は嬉しそうに笑ってあたしの頬をつねる。
そんで、「ふ、アホ面」なんて笑ってて。
その笑顔に、胸がキュンと音をたてる。