【完】999本のバラを君に。
駐輪場に着き、以前と同じように、あたしは自転車の荷台に腰を下ろす。
「真優、体重増えた?」
「増えてない!!」
「はは、嘘。前より軽くて、心配なんですが」
なんて笑いながら、こぎ始めた翔太。
「ねぇ、翔太」
「ん?」
「前方に見える先生はもしかして」
「そのもしかして」
「ごらぁーっ!! 相原、豊崎!! まぁたお前らかーっ!!」
以前と同じ、生活指導の渡部が仁王立ちしていた。
「スピードあげるぞ!」
「うんっ」
渡部を振り切って、2人で顔を合わせて笑った。
「俺等、ほんと運ねーなっ」
「渡部が狙ってんのかもよ?」
風が、涼しくて心地いい。