【完】999本のバラを君に。
初喧嘩
梅雨も過ぎて、7月になった。
夏休みまで、あと少しって時期だけど、もうすぐ期末テスト。
「なぁ、真優、俺ん家で勉強しようぜ?」
「えーーーっと……ごめん、今日用事が……」
「……お前さ、それ何回目?」
最近、この会話があたしと翔太の中で、日常茶飯事だ。
だって、翔太の家ってすごい緊張するし……。
男の子の部屋に入るの初めてだし。
……翔太を信用してないわけじゃないけど……。
この前の、梨華との会話が頭が過った。
『あのね、真優、この前樹と……シちゃった」
恥ずかしそうに言う梨華。
さすがのあたしでも、その言葉の意味はわかる。
『え、えぇっ?! どこで?!』
『樹の家……』
『ど、ど、どんな感じだった……?』
『な、なんか、怖かったけど、すごいすごい優しかったし……』
恥ずかしそうに言う梨華がすごい可愛かった。