【完】999本のバラを君に。
『真優は、どうだったの?』
『へ? あたし、まだ……』
『はぁっ?!?!』
『え……』
『まじ?』
『ま、まじ……』
『うわぁ……翔太くん可愛そ。それ、ぜっったい、我慢してるよ』
そ、そんなことを言われても……。
『そ、そう? そうは見えないけど……』
『ばっか。隠すに決まってんじゃん。まぁ、家に誘ってきたら、気をつけなよ?』
……って言われて、気にするあたし。
翔太が、そんな器用なことできるとは思ってないんだけど。
「まぁ、真優が嫌なら無理に連れて行かねーけどさ。図書館行く?」
「うん……ご、ごめんね」
「いーって。そのかわり、」
翔太は、グッと顔を近づけて、チュッと触れるだけのキスをした。
「このくらいは許せよ?」
そう悪戯っぽく笑う翔太。
そんな顔に、胸が高鳴る。