【完】999本のバラを君に。
放課後になり、翔太と一緒に近くの図書館に向かう。
「真優、なんか飲む?」
自動販売機の前に立って聞いてくる翔太。
「うーん、大丈夫」
「そ? んじゃ、俺コーラ」
空いている席に座って、問題集を広げる。
翔太は、いつもサボってるくせに、何気頭が良かったりする。
質問するの、いつもあたしだし。
「……真優さ、なんで俺ん家嫌なの?」
「え、えと……。そ、そういう翔太はなんで翔太ん家がいいの?」
考えてみれば、そうじゃん。
「こーやって、図書館でも勉強できるし」
「……お前って、変なとこ鈍いよな」
「なっ」
そ、それって……まさか……。
「ここじゃ、なんもできねーじゃん」
翔太の言葉に、あたしは思わず立ち上がった。
「ま、真優……?」
「ご、ごめん! 帰る!!」
「は?!」
あたしは鞄をもって、図書館を走って出た。
どうしよう、どうしよう……!
顔が熱いのが、自分でもわかるほどで。
明日、どんな顔で翔太に会おう……っ。
その事で、頭がいっぱいだった。