【完】999本のバラを君に。
結局、そのまま放課後に。
自分の席に座っていても、翔太はいつまで経っても来なくて。
「……バカ翔太」
なんて呟いて、あたしは隣のクラスへ。
けど、隣のクラスには、翔太はいなくて。
「翔太なら、先帰ったぜ?」
後ろから、須田君がそう教えてくれた。
「あ、ありがと……」
須田君の言葉が、胸を痛くさせる。
「なぁ、豊崎」
「? なに?」
「……いや、なんでもない。俺が言うことじゃねぇや」
あたしは、首を傾げて、下駄箱へと向かった。
向かう途中の窓から、偶然見えたシーン。
……翔太と、誰??
見ると、翔太が告白されている場面だってわかった。
……そりゃ、モテるよね。
あんまり女子と話してるところは見ないけど、あの笑顔を好きになる女の子はたくさんいるはずだ。
……翔太、本当に、あたしの事が好き??
不安が、重なる。
不安で、心が押しつぶされそうになる。