【完】999本のバラを君に。
ドアを開けると、教室には翔太と知らない女の子が抱き合ってるところ。
あたしは思わず、目を丸くして。
肩から、鞄が落ちた。
「あ、まひ……」
「ご、ごめんっ。間違えたみたいっ」
あたしは駆け足で廊下を走った。
「まひろっ!!!」
翔太があたしの名前を呼んで、追いかけてくる。
涙が、溢れ出す。
心臓が、鉛に押しつぶされたみたいに苦しい。
あたしは、誰もいない図書室に駆け込んだ。
この時間は、図書室の先生もいなくて、当番はサボっている。
あたしは、図書室のカウンターに隠れた。
「……まひろ??」
翔太が、ドアの方から、あたしの名前を呼ぶ。
ゆっくりとこっちに近づいてくるのがわかる。