【完】999本のバラを君に。
そして、翔太は、あたしの前でしゃがんで、覗き込むように「まひろ」と優しくあたしの名前を呼んだ。
「ゃっ……、帰って……っ」
涙で顔がぐしゃぐしゃ。
「話、聞けよ。あれは誤解だから」
「かえ、ってよ……っ」
「まひろ」
翔太は、グッと、あたしの頭を引き寄せ、優しく抱きしめた。
「ゃっ」
「ん」
あたしが抵抗する中、翔太はあたしの首に何かをつけた。
ゆっくりと、翔太が離れる。
あたしは、首についてるのを見ると、思わず目を丸くした。
首についているのは、シルバーリングがついたネックレス。
「こ、れ……は?」
「お前なぁー……。まぁ、真優らしいっちゃらしいけど。こーいうのは、女の方が気にするんだと思ってたよ」
「なっ」
「一ヶ月記念」
「え……」
「俺と真優がつき合って、今日で一ヶ月」
「……あ」
確かに……。