【完】999本のバラを君に。
「男にも性欲っつーもんがありまして」
「なっ」
「好きな女に触れたいって思うし、フレンチキスだけじゃ物足りない、っていうか……」
翔太の言葉に、体がカァァァァッと熱くなるのが自分でもわかる。
「そ、それはその、やっぱり……」
「でも、真優を家に誘ってたのはシたかったわけじゃねーよ」
「え……」
「まぁ、そーいう気持ちがないと言ったら嘘になるけど。俺は、真優を大事にしたいし、正直自身がない」
「……?」
「自分を制御できる自信がないんだよ。樹はさ、あいつは器用だからできたんだろーけど、俺は優しくなんてできねーと、思う」
「そ、れは……なんで?」
「お前……それ、聞く?」
「わ、わかんないんだもんっ」
「……好きすぎるからに、決まってんだろ」
「……っ」
「真優に自分のキモチを伝えたら、きっと俺止まんない。抑えらんねーよ。そんだけ、お前に惚れ込んでんだ」
まっ赤にしながら話す翔太。
そんな、あたしの手を握る翔太の手がとても優しくて。
……あぁ、やっぱり、あたしはこの人が好きなんだ。
あたしは、自分から唇を重ねた。