【完】999本のバラを君に。
夏休み
「翔太、これ教えて?」
「お前ね……少しは自分の頭で考えてる?」
「失礼な! 考えてるよー!」
夏休みに入り、毎日翔太と会う日々。
そして、その会う場所は翔太の部屋。
あの日以来、普通に翔太の家に行くようになったあたし。
翔太の事は信用してるけど……翔太が我慢してるのは、ちょっと伝わってたり。
「えっと……」
それと、翔太の家にくるようになって、思った事。
翔太の家には、毎回誰もいない。
翔太がそういう風にしてるのかもしれない。
けど、それにしても、台所や、リビングなんかが、家族で使ってる感じしなくて。
翔太に聞いてみようと思ったけど、あたしの中でサイレンが鳴ってて。
聞いたら……ダメなような気がして。