【完】999本のバラを君に。
夕方になり、翔太に家まで送ってもらう。
「じゃあ、翔太、また明日ねっ!」
「ん」
翔太は、あたしの腕を引っ張り、優しく抱きしめる。
「しょ、うた……?」
今まで、こんなことはしなかったのに。
「……あと、少しだけ」
「……うん」
ギュッと、あたしも力を込める。
このとき、翔太は少し不安そうで。
「そろそろ、帰るな」
「気をつけてね?」
「ははっ、余裕だっつの、ばーか」
でも……笑顔は、いつも通り。
この笑顔は、何よりも、好きで、大切で……。