【完】999本のバラを君に。
「そのリングのネックレス……」
ネックレス??
翔太からもらったやつ、確かにつけてるけど……。
「貰い物、ですか?」
「は、はい。彼からの……」
あたしがそう言うと、店員さんは口元を上げて笑った。
な、なに……。
「すみません。自分も最近似たようなのを見たので」
「い、いえ……」
「では、またのお越しをお待ちしております」
お店を出て、あたしはリングを見る。
普通のリング、だよね……。
ブランド名が刻まれてるけど……。
なんて書いてあるかわかんないし。
ケータイを開けば、もうすぐ梨華と約束の時間。
あたしは、待ち合わせ場所の駅へと向かった。