【完】999本のバラを君に。





「でも、坊ちゃんならさ、私立にいってると思わない?」

「あ、確かに。んー親孝行とか?」

「坊ちゃんなら、親がいかせたがるでしょ」

確かに……。

でも、翔太がお坊ちゃんか……全然イメージつかないや。

「ってか、相原って謎多いよねー」

「そう?」

「隣にいて、気になることないの?」

「んー」

時々、寂しそうな表情を見せることぐらいかなぁ。

このこと梨華に言ってもな……。

「あんまり、かな。梨華は?」

「まぁ、ちょっとね。あたし等に本音を言ってないような気がするかな」

「本音?」

「うん。相原ってさ、自分の心の内側をうち等に絶対見せないようにしてる感じするんだ」

「……わかる、かも」

「心に鍵かけてる理由、あるのかもね」

理由、か……。

たぶん、なんとなくだけど、その理由は寂しい表情を見せる理由と繋がってるんだと思った。







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