【完】999本のバラを君に。
「この家使ってんの、ほとんど俺だけ」
「……っ」
「泣きそうな顔すんなアホ。ほら、この話暗くなるから終わりっ。なぁ、今度遊園地行こーぜ!」
翔太……翔太……。
「……真優……」
あたしの瞳から、涙が溢れ出した。
今まで、ずっとずっと……そうやって笑って隠してきたんだろうか。
『相原ってさ、自分の心の内側をうち等に絶対見せないようにしてる感じするんだ』
この前、梨華が言ってたことを思いだす。
ずっと……ずっと、翔太は、こうやって心に鍵をつけてきたんだ。
誰にも、見せないように、ずっと守ってきたのかな。
「真優……お前が泣くことじゃねーよ」
「な、んで……っ」
なんで、そうやって近づけさせてくれないの??
もっと、翔太が知りたい。
もっと、もっと、
翔太の心に近づきたいよ。