【完】999本のバラを君に。
「真優ーもう、上がり?」
「うんっ。梨華も?」
「まーね♪ 翔太くんのとこ、行くんでしょ?」
「うんっ!」
あたしは少しスキップをしながら、翔太の教室に行った。
「翔太ぁ、あたし終わったよー」
「おー! すぐ行く! 樹、俺抜けるから!」
「あー、はいはい」
翔太と樹くんのやり取りを見て、思わずクスクスと笑う。
「おまたせ」
「最初、どこ行く?」
「4組、クレープやってた。食べにいこーぜ!」
翔太はあたしの手をとって、歩き出す。
「ちょっ、翔太早いよ〜。クレープは逃げないって」
子供みたいに笑って急ぐように歩いている翔太。
「そんなにテンション上げなくたって……」
……あぁ、そっか。
中学のとき、翔太、文化祭とか参加しなかったのか……。