ごめんね。
決して嫌いではなかったこの無言の空気。
でも、今日の無言の空気は息苦しい。
そのせいでついまた口癖が口から出る。
「…“ごめんね”」
「…あのさ」
さっきまで黙っていた彼がゆっくり口を開いた。
「なんでいつも謝るの?」
「ごめ「また謝る」
「あ、ご…っ」
また出そうになった口癖を濁らす。
「今日…結衣は俺をなんで呼んだの?」
「…お別れをしようと」
呟くような小さな声で言った。
それでもそんな声でも彼には届いていて
「…遠距離する気はないんだ」
彼の寂しそうな言葉に心がえぐれるような痛みが走った。