B(ブス)選がB(美女)に恋する本
好きになったら負け
私が所属するギター部は、かなり強い。
大会でも金賞をとって、今年は5連覇した大会もあった。
そんなギター部だが、部員は基本…。
言ったら悪いけど、基本ブス。
だから慎にとったら最高の部活なのかもしれない。
今日も。
「大会優勝しちゃったしカラオケ打ち上げ行く〜??」
という、慎のノリで今私たちはカラオケボックスに居る。
…のだけど。
不愉快きわまりない。
今慎は両手に花だとか言って、ブスを左右に抱えて喜んでいる。
「嫌だ私のどこがいいのよ〜」
本当に。
そんな女のどこがいいンだよ。
「アルピニストは山があるから登るんだよ。何??この贅肉の山。超登りたいンだけど」
こっちが何か聞きてぇわ。
新しい口説き文句??
褒めてンかけなしてんか分かんねぇよ。
「…私帰る」
「ありゃ、もう帰るの??」
「関係ないでしょ」
イライラする。
きっと、イライラするのは。
誰も私が好きな歌を歌ってくれなかったせいなんだから。
アイツなんか、好きになってやらない。