君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「おっ! 美味そうな匂い。焼き菓子か?」
ガサガサと包みを広げながら、中身を確認しているコイツに
「返せっ!!!」
慌てて駆け寄って、包みを奪い返す俺。
「なっ、何だよっ! 焼き菓子の一つくらいくれてもいいんじゃね~の?」
俺の剣幕にびっくりしたのか、茶色の瞳を見開いているヴァイスに一喝する。
「うるさいっ!! 触るな!!」
「大体、本当に何処行ってたんだよ!?
まだ厨房では焼き菓子なんて焼いてなかったし、朝の散歩に行ってたなら城下で誰から貰ったのさ?」
訝しげな表情を向けながら聞いてくるこいつを無視してソファーに戻った。
---ってか、こいつ厨房に居たのか?
「なぁなぁ・・・それ毒入ってんじゃね~? 俺、毒味してやるよ~?」
何が何でも、俺の手の中にある物を食いたいらしい・・・
「もう毒味済みだから、毒味をする必要はない」
「はっ? もう食ったの!?」
「あぁ、食った」
「おいおぃ~! 本当に誰に貰ったんだよ~? お前、人から貰った物なんて絶対食わねぇ~じゃん!!」
チラリとヴァイスを見れば、有り得ないって顔で俺を見てくる。