君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
うんうん頷くヴァイス。
「前に姫さんに貰った焼き菓子を王子の部屋で見つけて一個貰おうとしたら、全力で阻止されちまってさぁ」
俺、食べれなかったのっ!ってウソ泣きしながらフローラの両手を掴んだヤツの腕に手刀を喰らわす。
「いっってぇぇーーー!!!」
何すんだよっ!!って叫んだコイツをギロリと睨み付けフローラの手を取って引き寄せる。
「触るな」
「あ~ぁ。嫌だ嫌だっ!独占欲が強い男は嫌われるんだぞっ!!!」
そう、俺はフローラが他の男に触られるのが気に食わない。
最近、自覚したフローラへの気持ち。
彼女を好きだと言う気持ちを自覚してからは特に酷いと思う
---俺ってこんなんだったのか・・・
自分でも信じられないんだけど。
「冷めないうちに食べてね。作り立てなの!」
腕の中で微笑んでいるフローラに促されてソファーに座るとアリスがポットから熱い紅茶を注いでくれる。
「サンキュ」
ヴァイスがアリスにお礼を言って紅茶を口に運ぶ。