君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)

「こちらのお方は?」


不思議そうにこちらを見てる後ろの女性達。


「フローラ様よ。大切なお客様なの!フローラ様、こちらがメリンダでその隣がマリアン、一番左がソフィです。今、サロンの帰りなの」


「初めまして、フローラと申します」


「初めまして。私、ここでお客様をお見掛けしたのは初めてですわ」


メリンダが訝しげに見てくる


そう、私達が話しているのは北棟と東棟の間。
客室は南棟にあるので、お客様はここには足を踏み入れない。

ちなみにお城の入り口は北棟にあって、陛下、パール様、ニコル様のお部屋は東棟の上階。
ロックと私は西棟の5階。


「それにご自分でトレーをお持ちしているのもねぇ」とマリアンが続ける


普通、大切なお客様なら侍女が付いてるから自分で荷物を持っているのは変に見えるのかもしれない


「なぁに?何か文句でもあるのかしら?フローラ様はお兄様の所へお茶をお持ちしていただけよ」


話を聞いていたパール様が女性達にピシリと言い放った。


「文句だなんて・・・お客様がトレーを持っていたのを不思議に思っただけですわ。お兄様ってニコル様が隣国からお戻りになられたのですか?」


マリアンが否定しながら聞き返す


「ニコルお兄様はまだお帰りになられていないわ。フローラ様がお茶をお持ちしたのはロックお兄様の所よ!」


---あ。また固まってる・・・


このお城に滞在してわかったのは、ロックが本当に女性が大っ嫌いだって事。
苦手なんじゃなくて嫌い・・・。

全く女性を寄せ付けないから、傍にいるだけで皆、同じ反応をするんだよね・・・










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