君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)

「ロック様・・?」


「えぇ、そうよソフィ」


信じられないのか、ソフィは何度もパール様に聞き返す


「何度、聞いても信じられないのですけど」


パール様達の会話はしばらく続いていて


---そろそろ腕が疲れてきたんだけど・・・


空っぽとは言えトレーを持っている腕が疲れてきた。

アリスを見れば終わらない会話に困った顔


「あの、パール様」


「何?アリス」


「そろそろお戻りにならないとヴァイス様が・・・」


「えっ、もうそんな時間!?」


「はい」


「大変!あなた達、行くわよ!じゃあフローラ様、また後ほど」


そう言って慌てて廊下を歩いて行く。


それを見送ってからアリスと共に厨房までの道程を歩く。


「ヴァイス様がどうかしたの?」


ヴァイス様の名前が出た途端に会話を終了させたパール様。


「そろそろヴァイス様が執務室から出て騎士団の鍛錬場へ向かうからですわ」


あぁ、なるほど。

執務室には近付けないから廊下でヴァイス様を待ち伏せするのね!

以前、パール様が言っていた。騎士団長であるヴァイス様は忙しくて、執務室と騎士団の往復が殆ど。ヴァイス様に会うには自分から探すしかないと・・・


「パール様も大変だね。ヴァイス様は人気もあるし」


「ロック様よりは近付き易いから女性も寄ってきてしまうんですわ」


「そうなんだ」



確かに。

あんなに整った顔は滅多にお目にかかれない。それでいてあんなにフレンドリーならば女性だって話し易いはず。


「フローラ様!何処に行かれるんですか!?」


「え?」


「厨房はここですよ!」


行き過ぎちゃった・・・




















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