君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「あのっ!手を離して下さい!」
フローラが男に腕を掴まれて振り解こうとしていた
---侍女の姿が見えないが何処に行ったんだ・・・?
「少し、中庭を散歩しましょうって言っているだけじゃないですか」
「嫌ですっ!!」
近付くに連れて2人の会話がはっきり聞こえてくる
俺に気が付いたのかフローラがハッとして俺を見た
その途端に彼女の口からホッと息が零れた。
「その手を離せ」
そう言うのと同時に、男の手首に手刀を喰らわす
先程、ヴァイスに見舞った時と違って力加減なしで振り下ろすとバキッと鈍い音が聞こえた。
「いっ、いってぇぇぇぇーーーーっ!!!!」
男が手を離した瞬間にフローラの腕を掴んで、腕の中に抱き寄せる。
「・・・ロック」
フローラの震える声が聞こえた
男がのた打ち回るのを睨み付けていると、背後から近付いてくるヴァイス達の気配がする。
「あ~ぁ。ダメだよ姫さんに近付いちゃあ・・・」
「痛ぇよー」
ヴァイスが男の手首の様子を見ながら
「そりゃ痛いだろうよ~ 骨が完全に折れてるも~ん」
「い、医者を呼んでくれっ!」