君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
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「えっ?ちょっ・・・王子!?」


俺の声に応える事も無く、王子は足早に中庭の中央に向かって行く。

その先に見えたのは、男に手を掴まれている姫さん。


「あ~ ヤバイな・・・」


「何がヤバイんですの?」


パール嬢の隣にいたソフィが俺の視線の先を覗き込んでいた


「あれは・・・フローラ様?」


パール嬢にも見えたのか、怪訝な顔をした。


「あぁ。王子、ブチ切れて魔法でブッ飛ばさなきゃいいけど・・・」


王子がマジ切れして魔法なんか使われたら、それこそ命が無い・・・


「どうしてロック様がブチ切れるんですの?」


宰相の娘のマリアンが首を傾げる


「どうしてって・・自分の愛する女が変な男に言い寄られてたらさぁ、普通の男ならブチ切れるんじゃねぇの?」


お嬢さん方が驚きの顔で俺を見てくるが、それを気にする事無く足を進める。


「早く行かねぇと、あの男の命がヤバイからな・・・」



「いっ、いってぇぇぇぇーーーっ!!!!」


---ほら。バキッて嫌な音が聞こえたよ?


王子が姫さんを抱き寄せたのを視界に入れて男の前に立つ。


「あ~ぁ。ダメだよ姫さんに近付いちゃあ・・・」


「痛ぇよー」


痛みで もがいている男の手首のを見れば


「そりゃ痛いだろうよ~ 骨が完全に折れてるも~ん」


「い、医者を呼んでくれっ!」



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