君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
---さっきまでの事を、ヴァイスに話すか?
いや、ダメだ。コイツは俺の事になるとお喋りだった・・・
だが、何も言わないのは煩くなる一方だと思った俺は、焼き菓子をフローラに貰った事だけをヴァイスに話す事にした。
「はっ!? 女に貰ったのか!? おまえが!?」
案の定、ヴァイスの口から出て来る言葉は驚きに満ちていて。
「あぁ」
「嘘だろ!?」
「信じないならそれでいい」
「えぇっ!? いやいや! 信じる! 信じるから!!」
俺の話を信じようとしないコイツに面倒臭くなって立ち上がれば、強制的に話を終わらせようとした俺を慌てて止めるヴァイス。
まだ聞き出そうとする様子が窺えて、仕方がないからソファーに座りなおした。
そんな俺と、手に持っている焼き菓子の包みを交互に見ているヴァイスは、未だに信じられないといった表情だったが・・・
少し考え込んだ後、ニヤリと口角を上げて顔を近付けてくる。
「って事は、その娘が気に入ったんだろ~?」
「あ?」
「だって女嫌いのおまえが話をしたんだろ~?普段はどんな女に話掛けられても眉一つ動かさずに無視するくせに。
手作りの菓子まで貰ってるしなぁ~」
普段の俺の態度を知っているコイツは、気持ち悪いくらいのニヤケ顔・・・
「ふ~ん。へぇ~。ほぉ~。氷の王子様がついに女に興味を持ったか~」