君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「そう、こっち!」
男の押さえていた手首を見て「あぁ、折れてますね」と一言。
あのね?俺でもわかるよ?それくらい。
だって、手首があっと言う間に腫上がってブラ~ンとしちゃってるじゃんっ!
「では手当て致しますので医務室へどうぞ」
「あぁ、早くしてくれっ!」
態度のでかいリカルドとか言う男の後についてボソッと言ってやった。
「お前、ラッキーだったなぁ」
「手首を折られて何がラッキーなんだよっ!!」
「ラッキーだよ、それだけで済んで。俺が来なかったら、お前とっくに命無いぜ?王子が魔法使わなかっただけ有難いと思えよ~」
男の反応を見る事無く急いで踵を返す。
パール嬢と女達が王子達に近付こうとしていたから。
「今、王子に近付いちゃダメよ~!気が立ってるからね?」
「でもっ!」
そう言ってソフィが一歩、王子達に近付いたが・・・それを制止したのは俺ではなく王子の鋭い視線。それは、これ以上近付くなと言っていて。
氷の王子と呼ばれる王子
その凍て付く様な目で睨まれたソフィは動きが止まった。
---だからダメだって言ったのに。体、震えてるよ?
それを確認した王子が再びお姫さんに視線を戻し話し掛ける
「何とも無いか?」
「うん。大丈夫だよ」
大丈夫と言ったお姫さんだけど・・・その手首の痣は大丈夫じゃなさそうなんだけど?
「・・・大丈夫じゃないだろ」