君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「ヴァイス。ルイスに直ぐに俺の部屋に来るように言っておけ」
そう言うと お姫様を抱き上げて歩き出した。
「わっ!ロック!?私、歩けるよっ!」
降りようとするお姫さんを見て「大人しくしてろ」って口角を上げた王子。
周りの女達はそれを見て頬を真っ赤に染めていた。妹のパール嬢も・・・
そう。お姫さんが怪我をしているのは手首であって足じゃない。
でもね?今の王子に意見するような命知らずなヤツはいないよ?
俺だってまだ死にたくねぇもんっ!
「でもよ~ 今、あの男の手当てしてるっしょ?骨折だから処置するまで時間掛かるんじゃね~の?」
「そんなもの放っておけば治る」
---いやいや・・・治らないからっっ!!!
「でも、フローラ様の手首の痣の方が軽いですから冷やしておけば・・」
---ソフィ・・・あんた天然?今、そんな事言っちゃったら・・・ほら。
「あ?」
王子から おっそろしい位の殺気が放たれてるんだけど?
また体が震えちゃってるし。
「ロック?ほんとに大丈夫だよ?少し痛むけど、冷やしておけば直ぐに治るから」
お姫さんが王子に声を掛けたら、さっきまでの殺気がフッと消える。
数秒、王子がお姫さんの瞳をジッと見詰めて
「取り敢えず部屋に行くぞ?」
優しく言うと、そのまま城の中へと消えていった。