君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「さっき厨房でこれ預かってきたよ~」
蓋をされたままの皿を目の前に持ってくる
「厨房?」
「うん。俺が食事の用意を頼んだら、姫さんにこれを・・・って」
「私に?何でしょうか・・・」
ヴァイスが蓋を開けると皿の上には綺麗に盛られたフルーツ。
きっと、コイツが注文した食事を食べられないと思って用意してくれたに違いない
「わぁ!美味しそう!」
「はい、どうぞ!」
「ありがとうございます!」
嬉しそうに桃を食べているフローラは、さっきまでの切羽詰った表情は消えていた。
「食後のお茶の後に、アリスがお姫さんを迎えに来るって言ってたよ~」
「そう言えば、何で中庭に居た時は1人だったんだ?侍女を連れていなかったのか?」
男に絡まれていた時、フローラは侍女を連れていなかった。執務室を出てパール達と会った時までは一緒にいたはずだが・・・
「アリスは厨房で片付けをしていたの。私も手伝おうとしたら、中庭で花でも見て待っててくれって言われちゃって。私もアリスも お城の中なら安心だと思っていたから」
「そっかそっか。でも城の中も、ああいう輩はいるからこれからは1人で行動しないでね?城の外の者も入って来る事もあるし、お姫様に何かあったら皆、王子に殺されちゃうからさっ!」
これから城外から誰か入って来る時はフローラを傍に置いておくか
---そうしよう。