君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
握り締めた両手に力を集中させて腕を前方に伸ばし掌を開く。
・・・ヴゥーン
掌から出た淡い光は円形を模り文字を刻んでいく
魔法陣が完成したところで手に一層の力を込めて
『ヴイーヴル』
呼べば魔法陣の中から現れた一頭の翼竜。ガーネットの瞳を持ち額にはダイヤモンドを嵌め込んでいる。ヴァイス達、竜騎士団が使っているワイバーンは崖を住処にしているが俺のヴイーヴルは地底が住処。従属契約を交わしているから、いつでも魔法で呼び出す事が出来る。
俺達の15メートル程前に佇むヴイーヴル
「フローラ、おいで」
「凄く綺麗な翼竜ね」
ヴイーヴルを見ても全く驚かないフローラは、その鼻先に触れようとした。
「フローラ!「姫さん、ダメだっ!!」」
俺とヴァイスが慌てて止めに入ったが、その声が届く前にフローラの指先は既に鼻先に触れていた
「「えっ!?」」
驚いた声を上げたのはフローラではなく俺とヴァイス。
ワイバーンもそうだが、従属契約をしてるヴイーヴルは特に俺以外の者に触れられるのを許さない。だから今、目の前で起きている出来事に固まるしかなかった。