君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「あぁ~っ!! そうか! 王子様は焼き菓子をたらふく食ったんだもんなぁ~? 腹が減ってるわけねぇか」
厭らしい笑みを向けながら、肩を組んでくるコイツを睨み付けた。
「焼き菓子ですか? しかし、昨日も本日のメニューにもありませんでしたが・・・」
訝しげな顔をするルイスに
「女からの贈り物よ~!!」
「贈り物・・・ですか?」
にやにやと楽しそうに話すヴァイス。
---コイツまさか・・・
「聞いてちょうだいよ~!」
俺の肩に組んでいた腕を解き、今度はルイスにスキップをしながら寄っていく。
「氷の王子様は、朝も早よから城下へ行って娘とお茶してたのよ~!
そこで手作りの焼き菓子を食べて、お土産まで貰ってきたんだってさ~」
「じょ、城下で娘とお茶!? 手作りの焼き菓子って・・・本当ですか!?」
動揺しているのか、目を見開いたルイスは凄い勢いで俺に振り向くと事の真偽を確かめてくる。
---コイツは、マジで口が軽いっ!!!
目の前の幼馴染に、殺気の篭った盛大な舌打ちをした後に無言で頷いた。