君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


「それで何で侍女を俺の部屋に呼ぶんだ」


「え・・・だって」


「俺がフローラを看ているから誰も呼ばなくていい」


ヴァイスがルイスと顔を見合わせて何か言いたそうな表情を見せたが口篭る。


「それと料理長に何か軽く摘まめる物を用意させてくれ」



「王子が食べるの?」


「俺もフローラも殆ど食ってないからな。目が覚めたら一緒に食う」


「了解。直ぐに厨房行ってくるわ」


「それでは何かありましたら いつでもかまいませんのでお呼び下さい」



「失礼致します」と言ってルイスがパタンと静かに扉を閉めた






「・・・ふぅ」


静かな部屋に俺の溜め息が零れた


服を着替えて様子を見にベッドを覗けばスヤスヤと寝息を立てているフローラ

横を向いて寝ているから髪で隠れて顔がよく見えない。

ベッドの端に腰を掛けるとギシッと音を立ててマットが沈む。

ピクリとも動かないフローラの長い髪を耳に掛ければ、ピンク色の頬が現れた


---良かった


顔色は戻ったようだ。









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