君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
呼んでも起きないフローラの顔にかかった髪を後ろに流すと
頬に触れた指先が濡れた。
---涙?
「フローラ」
もう一度名前を呼ぶと伏せた睫毛が震えて、ゆっくりと瞼が開いた
綺麗な水色の瞳には俺を映しているが まだ焦点が合っていないのかどこか遠くを見ているようだ
「・・ロック?」
パチパチと何度か瞬き やっと俺を見る
「大丈夫か?魘されていたぞ」
まだ目尻に溜まっていた水滴を親指で拭えば
「ゆ・・め・・?」
顔の前に持っていった自分の手を見つめて ほぅ・・・っと息を吐く
夢だとわかって安心したのか強張っていた表情が安堵の顔に変わった
「あぁ、夢だ」
震えるその手をふわりと優しく握れば、フローラも握り返してくる
キュッと眉を寄せて俺を見つめるフローラの瞳には
拭ったばかりのはずなのに目尻にはまた水が溢れていた