君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
◇
「疲れた・・・」
自分の部屋に戻って、力無くベッドに倒れ込んだ。
ここ最近は噂の事もあって、視線が気になる。
精神的に疲れているからなのか、やたらと甘い物が欲しくなるこの頃。
---また、あの焼き菓子が食いたいな・・・
なんて考えながらフローラを思い出していた。
そう言えば・・・
焼き菓子と一緒に包みに入っていた飴を思い出し、ベッドの隣にある引き出しからそれを取り出してみる。
手にしたそれは、とても綺麗なアクアマリンの色をした宝石のような飴玉だった。
---フローラの瞳と同じ色だな・・・
ボーっと、そんな事を思いながら口に放り込んだ。
---甘い・・・
口に入れた飴玉は、とても甘くて体の力が抜けていく・・・
リラックスして横になっていたからか、瞼が重くなってきた。
---眠いな
ウトウトしていれば、不意に喉奥に転がってきた飴玉。
条件反射のように喉を嚥下してしまう。
次の瞬間には、ごくりと喉が鳴った。
---あ、飴玉飲み込んじまった・・・
そう思うのに、どうしても瞼に力が入らず、そのまま意識を手放した。