君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)

目を覚ましたのか、腕の中でモゾモゾと動き始めたフローラ。

寝たふりをしている俺に気が付かないのか


「あ、まだ寝てる・・・?」


俺の頬に細い指を滑らせながら独り言を呟いている。

その指の感触を心地良く感じていれば


「うわぁ、お肌がスベスベ・・・睫毛も長~い」


触った感想を言い始めた。


「ぶっ」


思わず噴き出して目を開けると目をぱちくりさせたフローラの瞳と視線が交わる。


「えっ・・・起きてたの?」


「まぁね。で、もう気は済んだのか?」


恥ずかしくなったのか顔を赤らめたフローラに聞けば

「もうっ!」と胸を叩いてきた。

くすくすと笑っていれば上目遣いで睨んでくる。

その瞳に視線を合わせれば、今日も俺の心臓がドクリと騒ぎ出した。


「それで睨んでいるつもりか?」


口角を上げてフローラの顎を掴むとアクアマリンに吸い寄せられるように唇を塞いだ。


チュッと音を鳴らして唇を離せば


「・・・何で、睨んだのにキスされるの」


「可愛過ぎるから」


本当の事を言ったのに「はぁ~」と深い溜め息をついた彼女。


---俺、何か変な事言ったか?












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