君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)






---おい・・・どこまで行くんだよっ!!


あれから、かなりの距離を歩いたと思う。

視界いっぱいに広がるのは、生い茂る木々とずっと先まで続く小川のみ。


---これ、夢なんだよな?


夢なのに、何でこんなに疲れるんだよ!?

段々と疲れてきた俺は魔法を使おうとしたが、この夢の中では魔法は使えないらしく・・・

そんな俺に構う事無く、シルフはどんどん先へと進んで行く。


「・・・くそっ!」


訳のわからない疲労感を感じながら、必死に追いかけた。




その後もひたすら歩き続け、やっと動きを止めたシルフに近寄る。

シルフの視線を追いかければ、先に広がる草原の真ん中に探していた人影が確認できた。


「フローラ・・・」


やっと目当ての人物を見つけられた安心感からか、体の疲労感がドッと押し寄せてきて、その場に座り込んだ。


「えっ? ロック!?」


呟きにも似た俺の声は、届くはずのない彼女の耳まで届いたらしく、驚いた顔をしながら駆け寄ってきたフローラ。


「どうして、ロックがここにいるの!?」


大きなアクアマリンの瞳をぱちくりさせて聞いてくる彼女に


「どうしてって言われても・・・夢だし・・」


何でこんな所にいるのかなんて、わかる訳もなく曖昧に答えれば


「えっ、夢!? 夢じゃない。此処は、あなたを連れてきた異界だよ?」


「でも俺、フローラに貰った飴玉を舐めながら寝ちまって、気が付いたらあの小屋の近くの丘に居たんだけど・・・」


俺の言葉を聞いたフローラが固まった。


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