君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
◇
---おい・・・どこまで行くんだよっ!!
あれから、かなりの距離を歩いたと思う。
視界いっぱいに広がるのは、生い茂る木々とずっと先まで続く小川のみ。
---これ、夢なんだよな?
夢なのに、何でこんなに疲れるんだよ!?
段々と疲れてきた俺は魔法を使おうとしたが、この夢の中では魔法は使えないらしく・・・
そんな俺に構う事無く、シルフはどんどん先へと進んで行く。
「・・・くそっ!」
訳のわからない疲労感を感じながら、必死に追いかけた。
その後もひたすら歩き続け、やっと動きを止めたシルフに近寄る。
シルフの視線を追いかければ、先に広がる草原の真ん中に探していた人影が確認できた。
「フローラ・・・」
やっと目当ての人物を見つけられた安心感からか、体の疲労感がドッと押し寄せてきて、その場に座り込んだ。
「えっ? ロック!?」
呟きにも似た俺の声は、届くはずのない彼女の耳まで届いたらしく、驚いた顔をしながら駆け寄ってきたフローラ。
「どうして、ロックがここにいるの!?」
大きなアクアマリンの瞳をぱちくりさせて聞いてくる彼女に
「どうしてって言われても・・・夢だし・・」
何でこんな所にいるのかなんて、わかる訳もなく曖昧に答えれば
「えっ、夢!? 夢じゃない。此処は、あなたを連れてきた異界だよ?」
「でも俺、フローラに貰った飴玉を舐めながら寝ちまって、気が付いたらあの小屋の近くの丘に居たんだけど・・・」
俺の言葉を聞いたフローラが固まった。