君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「このまま・・って晩餐会は」
「晩餐会なんてどうでもいい・・」
本気で、このまま連れ出そうかと思っていたのに
「王子~、それは困るって言ってるでしょうがっ!!」
ドカドカと大きな音を立ててやってくるのは
先にホールに行っている筈のヴァイス。
何で此処に居るんだよ・・・
「チッ」
「目ぇ離したら、ほんとに何処かに行きそうで怖ぇよ・・・」
顔を引き攣らせて俺を見るヴァイス。
「二コルはどうした」
「ニコルならご婦人達に呼ばれて先にホールに入って行ったよ」
なら、このまま出なくてもいいだろ・・・
「ちょっと、何処行くのっ?ホールは此処でしょっ!」
「・・・・・」
ヴァイスに引き止められて渋々ホールの入り口に立つ。
「行くぞ」
声をかければ、支えていたフローラの手がきゅっと俺の手を握った
それを握り返してホールへ入った。