君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)

ホールに入って直ぐに俺達の後ろにヴァイスとレイが付く。

今夜の晩餐会は大々的に開いているから人数も前回に比べてはるかに多い。

この大ホール【黄金の間】は豪華なクリスタルのシャンデリアが飾られて部屋の中は金一色。床は大理石で豪華そのものの造りだ。天井はガラス張りになっていて明かりを消すと月と沢山の星が見える。所々に置いてある大きな花瓶には花が生けられていて、いい香りがする筈なのに・・・

今は女達のキツイ香水の匂いで掻き消されていた。


「・・・臭ぇ」


耐えられない臭いにボソッと呟いたら


「我慢っ!」


後ろからヴァイスの声が飛んできた。

仕方なく顔を顰めながらその中を進んで行けば今夜も相変わらず派手な衣装を身に纏っている大臣達の妻や娘、貴族令嬢等が目をギラギラさせて見ている・・・

その視線の先に居たのは今、一番会いたくねぇ弟。

父上とパールも一緒にいるから変な行動はしないと思うが・・・


「おぉ、ロック来たか」


先に気が付いた父上が声を掛けてきた。

それにつられるようにニコルとパールが振り向いた。


< 201 / 393 >

この作品をシェア

pagetop