君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「何で、あの女がまたフローラの隣の席になるんだ」
この間の一件で近付けない様にしていたのに・・・
「今夜の晩餐会はニコルの帰城を祝うものだから、席順が決まっていたらしくて」
それにしても、この間の小ホールに比べて5倍以上の大きさがある大ホール。
その分、席も多く長いテーブルが5列になっていて真ん中のテーブルの上座に父上や俺達。
フローラの席はホールの一番右端の列で窓際だった。
「此処からじゃフローラの席が見えねぇ」
「その為にレイを隣の席に付けたんだ」
フローラのこの間の状態を見ればレイが隣にいても安心出来ねぇ・・・
隣を歩いているフローラを見れば、あの女が視界に映っているのか水色の瞳から光が失われていくように表情が曇っていった。
腰を支えていた手に力を込めれば、それに気が付いたフローラが俺を見上げてきた
「父上が挨拶を終えたら、直ぐにダンスを申し込みに行くから それまではレイとでも喋っていろ」
「うん」と小さく返事をして笑顔を見せた。
この間のように、食事を早く終わらせてなんて言っている場合じゃない。