君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「さて、どんな奴が使ってたのか見ものだな」
ヴァイスの目が鋭くなった数秒後
「・・・捕らえた」
光の追跡が止まり術者の場所が脳裏に映し出される。
「何処に居るんだ?」
「・・・テヘだな」
「テヘだって!?また随分と遠い所から魔法飛ばしてやがるな・・・」
「テ・・ヘ・・・?」
「どうした?」
場所を「テヘ」だと言うとフローラの顔が少し曇って、何か考えているのか黙ってしまう。
---テヘに何かあるのか?
「フローラ?」
俺が呼び掛けると俯いていた顔を上げて口を開いた。
「ねぇ、ロック。その魔法使いって、どんな人なのか見える?」
「あぁ・・・短髪の赤髪で瞳が黒い目つきの鋭い男だ」
術者の特徴を言うと、表情を強張らせて顔色が真っ青になってしまった。
「どうしたんだっ?」
今にも倒れそうな体を支えて様子を伺っているとルイスが近付いてフローラを診ていく。
「フローラ様、大丈夫ですか?どこか痛い所などはありませんか?」
「あ・・・大丈夫です。ちょっと気分が悪くなってしまっただけで痛い所はありません・・・」
気分が悪くなったのは、あの男の特徴を言ってからだ。
ならば・・・
「テヘに居る闇魔法の術者を知っているのか?」
俺の言葉に反応したフローラは俺と視線を合わせてコクリと頷く。
その顔は脅えているようで、恐怖に近い反応を示したフローラが気になる・・・