君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
ヴァイスの声を最後に音が無くなった・・・
身体中に漲る力と熱くなった瞳だけを感じて、あれ程ザワついていた感情は
心の奥底に沈んでいった。
今、俺の頭の中にあるのは闇の術者を始末する事だけ・・・
フローラを傷付ける者は誰であっても許さない。
術者の元へ飛び出そうとしたその時
「ロック!」
俺の名前を呼ぶフローラの声が小さく耳に届いた。
その声に導かれるように振り向いて声の主は・・・と探せば体に衝撃を受けた。
「ロックっ!!!」
その衝撃と、俺を呼ぶ声に一気に意識がクリアになる。
体に感じた衝撃は、俺の胸に飛び込んできたフローラのものだった。
「・・・フローラ」
見れば大きなアクアマリンの瞳に涙をいっぱい溜めて俺を見上げているフローラ。
その存在を確かめるように腕の中に閉じ込めた。
「王子~、頼むから力を暴発させるのはやめてくれよ」
寿命が縮まるっ!!と喚いているヴァイスは無視して
「フローラ」
愛しい名前を呼んだ。
「ロック、大丈夫?」
「ん?」
何が「大丈夫?」なんだ・・・?