君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「ヴァイス」
「はいはい」
「フローラがこの城に来てから入って来た奴を調べろ」
「了~解!」
返事をしたヴァイスが部屋から出て行こうとしたのを止める。
「まだ話は終わってねぇぞ」
「え?」
「調査対象者に、ニコルも含んでおけ」
俺の発した名前を聞いたヴァイス、ルイス、フローラが驚きで目を見開いて固まった。
「え・・・ニコルも・・?」
「あぁ。フローラを迎えた後に城に来た奴に例外はない。例え、それが実の弟でもな」
晩餐会で言っていたニコルのあの言葉が気になって仕方がない。
『貴重な人』
あれは一体、どういう意味で言った?
フローラの血の事を言っているのだとしたら・・・
密偵で一番怪しいのはアイツになる。
帰って来たタイミングといい怪しさ満載だ。
「アイツが黒でも尻尾を出すヘマはしないと思うけど・・・頑張ってみるよ」
「では、私も失礼いたします」
「ルイス」
「はい」
「お前は此処に残れ」
「え?」
「まだ、お前にはフローラの事で話していない事がある」